筆者が現在も悩まされているオスグッド病の後遺症による疼痛に対して、対外衝撃波治療を行っていた時の治療レポートとなります。
痛みを生じてから約4ヶ月の治療に関する経過観察とセルフケアについてまとめています。
クロスフィットの種目で一番膝に負担が来るフロントスクワットで痛みが出ない事がゴールとなります。
オスグッド病とは
オスグッド病とは膝の下にある脛骨が盛り上がり、痛みが出る病気です。
正式には“オスグッド・シュラッター病”と呼ばれますが、一般的にオスグッド病で広く知られています。
発症する原因
オスグッド病は太ももの前にある大腿四頭筋の使いすぎや柔軟性の低下をきっかけに症状が出るケースが大半です。
膝の屈伸運動が繰り返されるスポーツをしていると、大腿四頭筋に膝蓋靱帯を介して付着している脛骨の結着部が強く引っ張られる状態が続きます。
その際に、骨端軟骨の一部に剥離が起こることで発症します。
子どもの発症が多いのは成長過程で骨が柔らかく、その周りにある筋肉や腱の成長スピードと合わずバランスが悪くなってしまうため、発症しやすいと考えられています。
筆者の発症歴
筆者は中学時にオスグッド病を発症しました。
当時ラグビー部に入っていて、スクラムハーフと言う地面からボールを拾い上げるポジションでした。
そのため人一倍しゃがむ動作が多く、自然と膝への負担も大きくなっていたのかもしれません。
当時は成長痛で膝が痛いと言っている人も周りに多くいたので、膝が痛い事は普通な事と思い込み、特に病院にも行かず我慢してラグビーを続けていました。
いつの間にか痛みにも慣れて、特に動けなくて部活を休むこともなく、高校、大学、社会人とずっと運動部に所属している時も特段支障を感じる事はありませんでした。
大人になって再燃したオスグッド病
このブログでメインで取り上げている通り、筆者はクロスフィットと言うトレーニングにハマっています。
もう4年近くなりますが、競技スポーツとして本格的に取り組み始めた事をきっかけにトレーニングの量を増やし始めたところ、両膝のオスグッド病に強い痛みが出る様になりました。
今思えばトレーニングの量を増やしたのに対して、ストレッチや筋膜リリース等のリカバリーに割く時間はむしろ減っていたので、柔軟性が低下してしまったんだなと後悔しています。
痛くなる動作一覧
痛みを感じ始めた当初、どう言う動作が痛かったのか記載しておきます。
- 縄跳びを跳ぶ際の10cm程の小さなジャンプ
- 膝を30度程度曲げた状態(パワーポジション)
- 階段の昇降
- ジョギング
- 自転車を漕ぐ
- 膝を90度以上曲げて椅子に座る
- 自重でのフルスクワット
この自重でのフルスクワットを行った時は膝の痛みで足に力が入らず、手を使わないと立ち上がる事が出来ませんでした。
以下に続く治療後の経過観察はこの時の痛みを10点満点として、感覚的にどれくらいの痛みだったのかを記載していきます。
整形外科の受診
あまりにも痛みがあり、中学の頃から思い返してもオスグッド病でここまで痛かった記憶が無かったので整形外科を受診しましたが、オスグッド病以外の所見は見られませんでした。
レントゲン、超音波検査、MRIまでやったのですが半月板や膝関節には異常を認めず、脛骨結着部と膝蓋靱帯の炎症と言う診断でした。
対外衝撃波の治療について
対外衝撃波は名前の通り衝撃波を痛いところに当てる治療です。
衝撃波で炎症している腱や骨に傷をつける事で身体の再生を促す治療方法となります。
手術の様に切るわけでは無いので、治療も日帰りで1回20-30分程度しかかからないので日常生活に支障が出る事もなく、通院で対応可能です。
1回受けて終了ではなく、通常4-5回程度の治療を定期的に行う必要があるとの事でした。
治療時には患部に圧痛を与えるので筆者は毎回ズキズキする痛みを感じています。
また、治療後即効性があると聞いていましたが、筆者の場合はその日はずっとズキズキした痛みが残り、翌日から痛みが落ち着いていきました。
治療の経過観察
対外衝撃波による治療について報告していきます。
- 2024年12月末両膝に強い痛みを感じる
- 2025年1月初旬整形外科受診
- オスグッド病の遺残変形部の炎症と診断
この1月初旬に整形外科を受診した段階で痛みを感じる動作はやらないようにしました。
対外衝撃波治療1回目(2025/2/14)
1ヶ月安静にしても全く症状が改善せず途方に暮れていた頃、対外衝撃波と言う治療方法を聞き、藁にもすがる思いで治療を開始しました。
処置した当日はズキズキとした痛みが引きませんでしたが、翌朝は自重でのフルスクワットで何とか立ち上がる事が出来ました。
痛みは依然強くて、立てなかったのがなんとか立てる様になった程度ですが、効果を感じられたので治療を継続しようと思いました。
各動作の痛みについて
- 自重フルスクワット 8/10
痛いのを我慢すれば何とか立ち上がれた
対外衝撃波治療2回目(2025/2/22)
2回目の治療も即効性はなく夜まで痛みを引きずりましたが、翌日には痛くなる膝の角度が徐々に深くなっている様に感じています。
各動作の痛みについて
- 自重フルスクワット 7/10
痛いのを我慢すれば立ち上がれて、先週よりはすんなり立てた
- 自転車を漕ぐ 0/10
自転車を漕ぐ際の痛みを感じなくなった
対外衝撃波治療3回目(2025/3/1)
2回目よりも治療時の痛みが強く、出力は1回目と同じレベルで抑えました。
数日後にはパワーポジションで軽いバーベルを扱っても痛みをあまり感じなくなりました。
ハーフスクワットもあまり痛みなく出来たので、痛みが出ない範囲で脚への刺激も与えていきます。
各動作の痛みについて
- 自重フルスクワット 5/10
やや痛みはあるが動作はスムーズに行えた
- ジョギング 0/10
軽いジョギングでは痛みを感じなかった
- 20kgバーベルハーフスクワット 0/10
膝の角度40度までであれば、痛みを感じなかった
対外衝撃波治療4回目(2025/3/15)
4回目は前回よりも治療時の痛みが小さくなっていたので出力をもう一段階上げて治療を行いました。
パワーポジションまでは痛みを全く感じる事がなくなりました。
また、フルスクワットも治療の数日後には小さい痛みで行えるようになりました。
各動作の痛みについて
- 自重フルスクワット 2/10
ほぼ痛みを感じなくなってきたが、繰り返し行っていくと徐々に痛くなってきた
- バーベルフルスクワット60kg(1RM 40%) 3/10
重心が前に傾いて膝が突っ張ると痛くなるが、ゆっくり行えば60kgまでは少しの痛みで行う事が出来た。
- パワークリーン60kg(1RM 50%) 0/10
パワークリーン、パワースナッチ等の膝が45度くらいまでの動作であれば痛みを感じなかった。
次回はもう少し重量を上げても痛みを生じないかを確認したい。
- ランニング(5分/kmペース) 0/10
初期はジョギングでも痛かったものが、4回目の治療から5日後はランニングでも痛みを感じなかった。
※走っているときは痛みが無かったが、翌日の朝痛みを生じた。
対外衝撃波治療5回目(2025/03/22)
前回治療後のランニングで膝の調子がまた少し悪くなりました。
5回目の治療では痛みを我慢して出力は一段階上げて行いました。
ウォームアップを適切に行えばランニングやパワークリーンでは痛みを生じないのは変わらないのですが、やはりスクワット等の膝を深く曲げる動作の痛みは残っています。
各動作の痛みについて
- 自重スクワット 3/10
- バーベルフロントスクワット40kg(1RM 30%) 6/10
対外衝撃波治療6回目(2025/04/05)
今回は痛みを最大限我慢して対外衝撃波の出力を最大まで上げて治療しました。
理由としては回数を重ねるごとに痛みの減り具合が小さくなっている気がしたので、治療の出力自体を強くしたら状況が変わるのではないかと思ったためです。
これが功を奏しまして、翌日以降痛みがかなり小さくなりました。
次回は間隔があきますが、最大出力でもう一度治療しようと思います。
各動作の痛みについて
- 自重スクワット 2/10
- バーベルフロントスクワット70kg(1RM 50%) 3/10
対外衝撃波治療7回目(2025/04/26)
前回同様に対外衝撃波の出力を最大にして治療を行いました。
スクワット動作での痛みもかなり減り、スクワットをしている時、ウォームアップ前などは痛みがありますが日常生活ではほとんど気にならなくなりました。
スクワットも1RMの70%程度では問題なくできるようになりました。
各動作の痛みについて
- 自重スクワット 0/10
- バーベルフロントスクワット100kg(1RM 70%) 3/10
対外衝撃波治療8回目(2025/05/10)
治療は同じく最大出力です。
スクワットも80-90%位まで出来るようになりました。
90%だとフォームが若干崩れているのか、痛みが出る時もありましたが、少し痛い程度で動作には支障がありません。
スクワット後はやや痛みが出ますが、フォームローラーで適切に筋膜リリースをおこなえば翌日には問題ない程度には回復しました。
8回目にはほぼ痛みはなくなった事、骨が変形している以上完治とはなりませんが、今回をもって対外衝撃波での治療は終わりにすることとしました。
治療に関する費用について
対外衝撃波は現状自由診療で受診する病院ごとに料金が違っているので参考になるか分かりませんが一応載せておきます。
対外衝撃波初回->16,500円
対外衝撃波2回目以降->5,500円X7回
合計:55,000円(片膝)
ちなみに剝離した骨片を手術で摘出する場合は片膝約10万円の費用とリハビリには6-8か月間かかると言われました。
その期間、費用以下で運動に支障がないレベルに戻る事が出来れば、この治療を選択した甲斐があるなと思います。
対外衝撃波と同時に行っていたセルフケア
そもそもオスグッド病は大腿四頭筋の柔軟性低下が原因だと言われているので、対外衝撃波だけでなく、セルフケアで柔軟性を取り戻す事が大事だと感じていました。
ですので同時に幾つかのセルフケアも行っていますが、これらも膝の痛み軽減に効果があるはずなのでお伝えしておきます。
オムロン低周波治療器
自宅で簡単に電気治療が出来る優れ物です。
筋肉をほぐすためのリカバリーモードと関節の痛みを和らげるペインケアモードがあります。
筆者は大腿四頭筋へのリカバリーと膝の患部へのペインケアに使用しています。
脚だけでなく全身に使用可能なので持っていて損はない気がします。
フォームローラー
フォームローラーでの筋膜リリースをお風呂上がりに毎日行っています。
大腿四頭筋だけでなく、ハムストリングスや前脛骨筋、ふくらはぎ等全体的に筋膜リリースしています。
こちらも全身に使用でき、ながら時間に使用できるので持っていて損はありません。
ハムストリングスのトレーニング
太もも裏(ハムストリングス)の筋肉が弱いと大腿四頭筋が張りやすいと言われたので、ハムストリングスのトレーニングも始めました。
スライダーに踵を乗せて膝を90度にした状態で片足を上げることで、ハムストリングスとお尻の筋肉に刺激を入れています。
まとめ
オスグッドの痛みでしゃがむことができなくなってから約4ヶ月の治療を経て、スクワットでもそこまで痛みを感じなくなり、動けるようになりました。
ひとまず治療も終了となり、本記事の更新は終わりになります。
同じようにオスグッドで悩んでいる方、またオスグッド病以外にも対外衝撃波は効果があるとされているので、同じような痛みに悩まされている方の参考になれば嬉しいです。